まるで人間のように、奔放に描かれる動物たちがユニークな『鳥獣人物戯画』は、京都・栂ノ尾にある
高山寺(華厳宗)に保管される「漫画の元祖」とも言われる作品。
高山寺を開山したのは、鎌倉時代の僧侶・明恵(みょうえ)上人。
自分のみた夢を日記に書きつづけた「夢日記の元祖」とも言うべき人物で、心理学者の故・河合隼雄さんが明恵さんの夢分析をした
明恵 夢を生きる / 河合 隼雄という本も出版されています。
明恵上人は、どんな小さな虫にも仏性を感じとり、うやうやしく接し、犬や牛、馬の前を通る時にも人に対すると同じように合掌して通ったといいます。自然を愛した上人を表すような、樹上で座禅を組む上人を描いた’樹上座禅像’という絵画も残っています。
自然が深く、風光明媚で秋の紅葉が見事だという高山寺。このお寺には、明恵上人が栄西禅師から贈られた茶葉の種を蒔いたのが始まりだという日本最古の茶園があります。このお茶が後の宇治茶に発展したそうで、かつて上人が過ごしたものを移築したという石水院ではその名も’高山’というお茶をいただくことが出来ます。
2002年か2003年のお正月、車中泊旅行をしながら、高山寺を訪れたことがあります。
石水院は、周囲の山や自然を四方から見渡すように建てられていました。凛と凍った空気や陽光の中に身を置いていると、静厳で美しい自然と庭を愛でた上人の目線が伝わってくるような思いがしました。しかし、とても気持ちのいい空間でしたが、部屋を囲むようにある渡り廊下には外壁がなく、景色もいいが外と室内とが貫通している状態でもありました。
室内ではお茶をいただくことができるのですが、実質、半分は外という環境の中でいただいたお茶は、歯を鳴らしながらのとても現実的なものでした。「お茶を飲みたい」という一心と、せめてもの救いのようなホットカーペットに暖を求めつつの、厳冬のお茶は忘れることのできない体験になりました。
高山寺をおりた所に、数軒のお食事処がありました。その中の一軒の店先で、ちりめん状や、白・紫などに色づいたたくさんの葉牡丹が、半分凍りつきながら植わっているのに目がいきました。
ちょうど雪がとけかけて、陽光を浴びてきらきらと輝いていたのに惹かれるように中に入ると、その店のおじさんに、しきりに「晴明さんで占ってもらうといい」と、晴明神社に行くことをすすめられたのも印象に残りました。
●高山寺
京都市右京区梅ヶ畑栂尾町8

鳥獣人物戯画
- 作者: 辻 惟雄
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/11/13
- メディア: 大型本
白州さんのこの本も読みやすくて面白かったです。
posted by chico at 21:40|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
ちいさな旅/TRIP
|

|